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ヘッセの小説から [教育]

 「すぐれた強い性質のものより平凡な人間を宰領するほうが、監督者にとっては、どんなに簡単で平和でらくであるかしれない・・・・」(ヘルマン・ヘッセ『知と愛』高橋健二訳)
 物語の舞台マリアブロンの修道院、ダニエル院長がそう思う対象は二人いる。優秀さゆえ若くして生徒と教師の間の例外的地位を与えた神学者ナルチス、その友で美に奉仕するドルトムントである。二人の異才を引き受けた院長としての覚悟だったのかもしれない。
 だがどうだろうか。時として、小説の一部分が自分の語りかけてくるような場面に出くわすことがある。
 すぐれた資質を持ちながら、似合う舞台に登場できなかった人たちの顔が浮かぶ一方、地位が役割を与え、次第に開花していくような人たちもいた。
 手のかかる子どももいれば、手のかからない子どももいる。クラス替えの時、しばしばこの尺度が一つの考慮事項としていたように思う。
 人はどうしても「らく」を手に入れようとするらしい。でも、それが仕事として、人生として「楽しい」となるかは別物で、むしろ逆なのかもしれない。
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